「現在フリーランスだけど、法人化しようか迷っている」
「合同会社ってマイナーなイメージだけど、いいことあるの?」
フリーランスエンジニアを何年か続けていれば「そろそろ法人化しようか」という課題が定期的に出てくると思います。
私は退職してから任意継続していた社会保険が2年で切れて、国保に切り替わり、保険料が爆上がりしたのをきっかけに法人化を検討しました。
そして、個人事業主になってから2年4ヶ月で合同会社に至ったのです。
今回は、フリーランスエンジニアとして客先常駐していた私が、合同会社を設立するに至った経緯と法人化のメリットについて詳しく書いていきたいと思います。
目次
フリーランスから法人化を決意させたもっとも大きな要因
私はフリーランスと言いつつも、エージェントを通して仕事を紹介してもらい、企業に常駐する形態で働いていました。
年収はせいぜい600万くらいです。
※年収の詳細を知りたい方は私の個人事業主用ページをご参照ください。
よくフリーランスが法人化する目安として
年収1,000万を超えて、消費税納入事業者になったら法人化を検討しましょう
という情報を多く見てきました。
ですので、私には法人化などはまだまだ関係のない話しだと考えていました。
しかし、その時は突然訪れました。
2年間の任意継続が切れ、国保に切り替わったのです。
「えっ、私の国保高すぎ」
たかだか年収600万の私に、恐ろしい金額の国保+国民年金のコンボで支払い用紙がやってきたのです。
この時初めて「この国は個人事業主になんて冷たいのか」と知りました。
高額な国保を回避するには法人化しかなかった
この理不尽な支払いを回避する方法はないかと調べまくりました。
しかし、この金額は前年の確定申告を元に作成されているため、すでにどうすることもできません。
というか個人事業主として節税を頑張っても、そもそものシステムが個人事業主に冷たいので、回避できないことを悟りました。
そして行き着いたのが法人化してしまうという道でした。
法人化してしまえば、前年の確定申告が影響するのは住民税だけに抑えることができるのです。
法人化するにあたり一番気にしたことは社会保険料
法人化するにあたり、一番気にしたのは社会保険料についてでした。
ただこれについては、私の役員報酬を安く設定することで、社会保険料の金額を抑えることができることがわかりました。
事前にシミュレーションすることもできます。
シミュレーションした結果、これくらいの金額であれば、私の年収でも法人化の恩恵は十分に受けられると思い、法人化することを決意したのです。
株式会社ではなく合同会社にした理由
法人化の手続きについて調べていると、株式会社の他に合同会社という形態があることを知りました。
私のように、
ポイント
・社員は雇わない
・一人会社で節税したいだけ
であれば、合同会社という選択は多いにアリだと気づきました。
よく株式会社と何が違うか?について聞かれますが、私は専門家ではありませんので、
や
【会社設立徹底比較!】合同会社それとも株式会社?会社形態分類まとめ
を参考にしてみてください。
合同会社が良いと思った点
私が合同会社が良いと思った点は2点です。
・設立費用が安く、手間も少ない
・節税のメリットは株式会社と変わらない
しかも、後から株式会社に変更することも可能です。(印鑑の作り直しや、手続きの手間はありますが)
じゃあ合同会社のデメリットは何?となるのですが、一番のデメリットが
社会的信用が薄い
ということらしいです。
世の中のほとんどの会社は株式会社であり、合同会社はまだまだマイナーな存在です。
合同会社を知らない人にはいちいち説明しなくてはなりません。
あと細かいですが、社長の肩書は代表取締役ではなく、代表社員となります。
ただ、私のような客先常駐型のフリーランスにとっては関係のないデメリットです。
というわけで、合同会社を設立することにしました。
法人化のメリット
フリーランスと法人って何が違うのでしょうか。
ここでは、客先常駐型フリーランスエンジニアが法人化(合同会社)することで、得られたメリットについて解説します。
メリット①-社会保険料の支払い額が減った
そもそも、法人化の一番の目的が社会保険料を下げることでした。
個人事業主が加入する国保は高すぎます。
これを合法的に下げるには法人化しかありませんでした。
法人化すると、年金は国民年金ではなく厚生年金となるので、将来いくらもらえるかはわかりませんが、少なくとも国民年金よりは多くもらうことができます。
毎月の社会保険料がざっくりいくらになったかと言うと、約9万円払っていたのが、5万円くらいまで下がりました。
メリット②-経費の範囲が増えた
個人事業主の経費が認められる範囲は法人に比べて狭いです。
私の場合は、自宅兼事務所にしているので、自宅の一部と駐車場を自分の会社に賃貸しています。
そして、その費用は経費計上することができます。
会社から自分へ支払う給与も経費です。
個人である私自身は、給与所得控除が適用されるようになります。
自家用車の名義を会社に変更して、車に関わる費用も全て経費にできました。
メリット③-身分が会社役員になった
職業欄に自営業ではなく、会社役員と書けるようになりました。
金銭的なメリットはありませんが、ちょっと気持ちいいです。
番外編-保険証がプラスチックになった
会社員の方はご存じないかと思いますが、国保の保険証は厚紙です。
まるで病院の診察券のようです。
こういう点も、国は個人事業主に冷たいと感じざるを得ません。
法人化することで保険証がプラスチックになり嬉しかったです。
法人化のデメリット
ここまでさんざん法人化バンザイを語ってきましたが、デメリットについても触れておきたいと思います。
デメリットは法人の税務処理が多く、どれも難しいということです。
個人事業主であれば、年に1回の確定申告を乗り切れば、他に税に関する処理はありません。
でも、法人となれば話しは別です。
決算があるのは当然知っていましたが、年末調整を筆頭に、なんか色々書類がくるようになります。
最初はなんとか頑張って処理していた私も年末調整をくらってついにギブアップしました。
その事については別記事で熱く語っていますので、参考にしてください。 「代表一人の会社なのに税理士さんと顧問契約を結ぶ必要あるの?」 プロミディア合同会社の斉藤です。 私は2017年7月に法人化してから、はじめは税理士さんと顧問契約せずに会社を運営してきま ... 続きを見る
一人合同会社なのに税理士と顧問契約を結んだ理由
ただ、税理士と顧問契約を結んでもなお、国保を払うよりは全然安いので、法人化したことについては何の失敗もありません。
まとめ
私のように客先常駐型のフリーランスエンジニアが法人化したことについて、ありのままを書いてきました。
多分フリーランスエンジニアって法人化を検討することすらなく、高い保険料を払っている人も多いのかなと思います。
法人化することで、節税だけではなく、事業者としての意識も高まりますので、私としては法人化はオススメです。