「システム開発で客先常駐と請負契約は具体的にどう違うのか?」
プロミディア合同会社の斉藤です。
私はフリーランスになってから2年9ヶ月続けてきた客先常駐のSES契約をやめて、請負契約に切り替えました。
客先常駐(SES契約)と請負契約の違いは頭では理解していましたが、実際やってみてから気づくことも多くありました。
今後、請負契約を目指す人の為に少し書いてみたいと思います。
作業環境の違い
作業環境について、それぞれの特性について解説します。
客先常駐の場合
客先常駐の場合、発注元企業内で作業するので、自身は特に何も用意する必要はありません。
機材(パソコン、機械)、作業場所は全て発注企業から無償で提供してもらえるのが通常です。
常駐しかやっていないフリーランスの方であれば当たり前すぎて何言っているかわかってもらえないかもしれません。
でも、これが外注要員として請負契約とし、外で作業するとなると状況が一変します。
請負契約の場合
請負契約の場合、必要な機材、作業場所は基本的に自分で用意しなくてはなりません。
ただし、特殊な機材が必要な場合は貸与してもらえるのが普通です。
※私の場合、顧客のシステム開発をするには「Visual Studio Professional 2012」というソフトのライセンスが必要でした。
2018年現在、このライセンスを取得するには、他のソフトも使用できる権利も含まれた10万円以上もするライセンスを購入する必要がありました。
ですが、幸運にもAmazonで一人だけ中古のライセンスを出品してくれている方がいてくれたおかげで、2万5千円で当時のソフトのライセンスを取得することができ、事なきを得ました。
作業場所については、自宅できちんと作業ができるのであれば、それほど問題ありません。
しかし、家庭の事情により自宅で作業しても仕事にならない場合、外で借りる必要が出てきます。
少し調べるとわかることですが、事務所なり作業用アパートを借りることは金銭的にけっこう痛いです。
報酬制度の違い
報酬の発生についても客先常駐と請負契約では大きく異なります。
客先常駐の場合
派遣やSESのフリーランスは、時給制または月固定の報酬なので、作業した時間を基準として報酬が決まります。
どれだけ効率的に作業しても、それが報酬につながることはありません。
請負契約の場合
請負契約の場合は、案件ごとに工数見積りを行い、受注金額を決定します。
その案件を完了させるまでに何時間かかったかは関係なく、定められた納品物を納めることができれば、報酬を受け取ることができます。
効率的に作業する事ができれば、時間あたりの作業単価は上がります。
しかし、見積りの工数を見誤った場合、基本的には自己責任ですので、その金額でやり遂げる必要があります。
請負契約は客先常駐と比べて、若干リスクの高い契約ですが、その分リターンも期待できる契約です。
仕事に対するスタンスの違い
全く同じ内容の仕事をやるにしても、契約形態の違いで仕事に対するスタンスは異なってきます。
客先常駐の場合
標準的なレベルで仕事をしていれば問題ありません。
そもそも客先も、すごいスキルの人が来るとは思っていません。
SES契約のデメリットにもなるのですが、早く作業すると損した気分になってしまいます。
なぜなら、それによって直接的に報酬が増えることが無いからです。
客先常駐でたくさん稼ぐには、許容される上限一杯の時間をささげることが求められます。
請負契約の場合
請負契約は、何時間作業をしたとしても、納品を完了させないことには収入になりません。
とにかく、早さ、正確さが要求されます。
作業する側も、早く完了させることができれば実質の時間単価は上がることになるので、仕事に対するモチベーションは高くなります。
こちらの契約形態のほうが、本来のエンジニアのあるべき姿に近いです。
まとめ
ここまで客先常駐と請負契約を比較してみましたが、どちらの働き方がマッチしているかは、人によると思います。
私は作業が早いほうですので、時間に縛られる客先常駐にあまりメリットを感じませんでした。
現在は請負でやらせていただいているので、頑張って効率化しています。
また、モチベーションも高いです。
フリーランスの方は、上記であげた特性を理解したうえで、どちらの働き方にするか考えてみたらいかがでしょうか。